自分の歯が少ないと認知症になる?
近年、歯の健康と全身の健康との関連が多くの研究で明らかにされてきました。その中でも特に注目されているのが、歯の残存数と認知症の関係です。認知症は高齢者の生活の質に大きな影響を与える疾患であり、その予防は社会的にも重要な課題となっています。本記事では、歯の残存数と認知症の関連性についてご案内します。
歯の健康と認知機能の関連
歯の残存数が減少することが認知機能の低下と関連していることが、多くの研究で示されています。具体的には、歯を失うことにより噛む機能が低下し、それが脳への刺激を減少させる結果、認知機能が低下する可能性があります。噛むことは脳への血流を促進し、脳の活性化に寄与するため、歯の健康は認知機能の維持に重要な役割を果たします。
研究の背景と証拠
例えば、東京大学の研究では、65歳以上の高齢者を対象に調査を行い、歯の残存数が少ない人ほど認知症リスクが高いことが明らかにされました。研究者たちは、歯を失うことが社会的活動の減少や食事の質の低下につながり、それが認知機能の低下を引き起こす一因であると指摘しています。
また、他の研究でも、インプラント治療や義歯の適切な使用で認知症リスクが低減することが示されています。インプラントや義歯で噛む機能が回復し、脳への刺激が維持されるため、認知機能の低下を防ぐ効果が期待されています。
歯周病と認知症
歯の喪失の原因の一つである歯周病も、認知症との関連が指摘されています。歯周病は慢性的な炎症を引き起こし、この炎症が全身に広がることで脳にも影響を与える可能性があります。特に、歯周病菌が血液を介して脳に到達し、脳の炎症やアルツハイマー病の原因となるアミロイドβの蓄積を促進することが示唆されています。
予防と対策
認知症の予防には、歯の健康を維持することが重要です。以下に、具体的な予防策をいくつか挙げます。
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定期的な歯科検診
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歯科検診を定期的に受けることで、虫歯や歯周病の早期発見と治療が可能となり、歯の喪失を防ぐことができます。
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適切な歯磨き
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毎日の歯磨きを徹底し、歯垢や歯石の蓄積を防ぐことが大切です。フッ素入りの歯磨き粉を使用することも推奨されます。
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バランスの取れた食事
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栄養バランスの取れた食事を心がけることで、歯や歯茎の健康を維持できます。特に、カルシウムやビタミンDを豊富に含む食品は歯の健康に寄与します。
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禁煙と節酒
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喫煙や過度の飲酒は歯周病のリスクを高めるため、これらを控えることが望ましいです。
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義歯の適切な使用
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歯を失った場合は、適切な義歯を使用することで噛む機能を回復し、認知機能の維持に努めることが重要です。
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インプラント治療の検討
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義歯を使用することである程度の噛む機能は回復できますが、インプラントにすることでよりしっかりと噛めるようになります。インプラントは人工の歯根を骨に埋め込む治療法なので、ご自身の歯と同じように硬いものも噛むことができ、見た目や発音も自然になります。
まとめ
歯の残存数と認知症には密接な関係があり、歯を健康に保つことが認知症予防に重要な役割を果たします。みなみうらわ駅前歯科・矯正歯科では、定期的な歯科検診や適切な口腔ケアを大切にしています。歯の健康を守り、健康寿命を延ばしましょう。